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Arim Roll Mecha エンジニアリングチーム
01 / DEFINITION
アキュムレーションローラーの定義と役割
アキュムレーションローラーは、共通駆動部が回転し続けていても、搬送物が停止するとローラーチューブが止まることのできる摩擦式スリップ機構を内蔵した駆動ローラーです。
固定駆動ローラーでは、ワークがストッパーで止まってもローラーは回転を続けます。後続ワークが増えるほど先頭ワークへの圧力が高まり、底面の擦れ、梱包の変形、駆動系負荷につながります。
摩擦式ローラーでは、停止抵抗が設定伝達トルクを超えると内部カップリングがスリップします。チューブは停止したまま駆動部は回転でき、ストッパー解除後は再びトルクを伝えて搬送を再開します。
これは滞留圧力を低減するミニマムプレッシャー方式です。ゾーン制御によりワーク同士を接触させないゼロプレッシャー方式とは異なります。

02 / PRINCIPLE
スリップカップリングの作動原理
Arim Roll Mechaのローラーは、圧縮ばねの予圧と線摩擦で伝達トルクを設定します。外部センサーや個別制御モーターを使わず、設定トルクをローラーチューブの機械的回転として伝達します。
01 · 通常搬送
駆動軸の回転が摩擦面からチューブへ伝わります。伝達トルクがワークとローラー間の摩擦抵抗トルクを上回ると、ローラーがワークを前進させます。
02 · 滞留とスリップ
ストッパーや先行ワークによって必要トルクが増えます。設定トルクがワークとチューブ間の摩擦抵抗トルクを下回ると内部摩擦部がスリップし、チューブが停止して滞留列に加わる力を抑えます。
03 · 搬送再開
停止要因がなくなると抵抗が下がり、再びトルクが伝達されます。個別のリセット信号なしでワークを排出します。
03 / COMPARISON
固定駆動・摩擦式・ゼロプレッシャーの違い
同じ『アキュムレーション』でも性能は同一ではありません。ワーク接触の可否と制御方式から選びます。
| 方式 | 作動方式 | 主な利点 | 設計上の注意 |
|---|---|---|---|
| 固定駆動ローラー | 全ローラーが共通駆動部に固定接続され回転を継続 | 連続搬送向けのシンプルな構造 | 停止時も圧力と摩擦が増えるため滞留運転には不向き |
| 摩擦式アキュムレーション | 設定トルクを超えると内部カップリングがスリップ | ゾーン制御なしで圧力を抑え、高密度にバッファ可能 | ワーク同士は接触し、搬送力は荷重依存のため実機試験が重要 |
| ゼロプレッシャー(ZPA) | センサーで検知し、独立した各ゾーンの駆動を停止 | ワーク間に間隔を保ち、接触と滞留圧力を防止 | ゾーン駆動、センサー、制御機器、配線が必要 |
04 / SELECTION
選定時に確認する6つの条件
型式や総重量だけで選ぶと、再起動力不足や過大な滞留圧力につながります。運転条件全体を確認します。
- 01
ローラー1本当たりの荷重
ワーク重量を実際に支持するローラー本数で評価します。ワーク長、ピッチ、重心によって荷重分担が変わります。
- 02
底面と摩擦条件
平坦で硬い底面が有利です。パレット材質、汚れ、リブ、たわみ、ローラー表面が搬送力と再起動性を左右します。
- 03
必要駆動トルク
通常時は転がり抵抗と勾配に勝ち、停止時はワークを損傷する前にスリップするトルク範囲を設定します。
- 04
速度・滞留長・停止時間
ライン速度、滞留ワーク数、停止頻度と時間は摩擦熱と先頭ワークへの残留圧力に影響します。
- 05
取付構造と荷重位置
両端支持、片側支持、スプロケット駆動と、ワーク幅・重心を確認します。偏荷重や取付高さの公差も重要です。
- 06
温度・水・油・異物
洗浄液に強い線摩擦駆動方式を推奨し、温度、油、金属切粉などの現場条件に合わせてチューブ材質、表面処理、シール構造を設定します。
05 / APPLICATION
適しているライン
摩擦式は、停止を繰り返す製造バッファをシンプルな機械構造で構成したい場合に適します。ワーク同士の接触を許容できない工程はゾーン制御を優先します。
適した条件
- エンジン、トランスミッション、バッテリーパックなど重量ワークの工程間バッファ
- ワークの接触は許容できるが滞留圧力を抑えたいライン
- センサーや個別ゾーン制御を最小化した堅牢な機械式システム
- クーラント、油、金属切粉など現場条件に合わせた特注設備
別方式を検討する条件
- 高価・壊れやすい・表面が敏感で、ワーク同士を接触させられない製品
- 正確な間隔、追跡、個別排出が必要な高速自動化ライン
- 底面が柔らかい、または不規則でローラー接触が一定しないワーク
- 共通駆動を停止できず、長時間の連続滞留が通常運転となる条件
06 / CONFIGURATION
設備に合わせるローラー構造
同じ摩擦原理でも支持方法と動力伝達方式により適用性が異なります。
両端支持型
軸の両端をフレームで支持し、安定した荷重分散と幅広いローラー長に対応します。
片側支持型
片側のみで支持し、反対側のアクセス性を確保します。軸剛性、たわみ、偏荷重の確認が重要です。
スプロケット型
チェーンによる堅牢な動力伝達で中重量物に対応し、必要トルクとチェーン規格に合わせて構成します。
07 / FAQ
よくある質問
Q01アキュムレーションローラーはモーターを止めますか?
摩擦式では止めません。共通駆動部が動いていてもローラーチューブが内部でスリップして停止します。ZPAはゾーンごとの駆動を制御または切り離します。
Q02ワーク間の圧力は完全になくなりますか?
いいえ。摩擦式はミニマムプレッシャー方式です。先頭ワークへの残留力は、滞留数、ローラーごとの搬送力、接触条件で変化します。
Q03トルクは高いほど良いですか?
いいえ。低すぎると再起動できず、高すぎると滞留圧力と摩擦熱が増えます。確実に搬送し、過負荷前にスリップする範囲が必要です。
Q04既存コンベヤにも適用できますか?
可能性があります。フレーム幅、軸取付、ピッチ・径、駆動方式、スペースを確認します。既存図面とワーク情報から標準品または特注品を検討できます。